この人を見よ (岩波文庫)



田島貴男が本の虫であるのだから、見習うべく、私もニーチェを読み始めた。田島さんがいつも持ち歩いている『ツァラトゥストラかく語りき』はないが、私の本棚にも『この人を見よ』と『善悪の彼岸』があった。
『この人を見よ』から読み始めている。序言からして可笑しくて、電車の中で噴出しそうになる。この人もPARISが好きだったり、共通点があり、ぐりぐり線を引っ張って読んでいる。


ニーチェは言いたい放題だ。ドイツ人でありながら、「ドイツの力及ぶところ、文化は駄目になる」と。ドイツ人ニーチェにとってドイツ人リヒャルト・ワーグナーは、唯一の外国であった。そして、麻薬であり、対抗毒つまり毒であった。ドイツ人はお人好しであり、ワーグナーはお人好しの正反対であった。
ニーチェにとってのワーグナーは、私にとってのタジマタカオだろうか。"麻薬"という意味ではそうに違いあるまい。