詩人アーサー・ビナードさんが、ゴッホに勝るとも劣らないと言う熊谷守一。その言葉と、美しい展覧会のチラシにつられて、強風の中、浦和まで行ってきた。こちらの方角にはあまり来たことがないから、もの珍しい。電車の中で"浦和"とつく駅名を7つも発見。「浦和」「東浦和」「南浦和」「北浦和」「西浦和」「中浦和」「武蔵浦和」そんなに同じような駅名ばかりじゃ地元の人しか覚えられないのじゃないかねえ。とどうでもいいことを考えながら、朝ご飯用に大宮駅のPAULでバナーヌ・ショコラを買って、駅に着く。
駅の近くには手打ちうどん屋さんと、御寿司屋さん、ラーメン屋さん、レトロな洋食屋さんくらいしか見付からなくて、洋食屋さんへ。
注文するやいなや、お冷を引っくり返して、テーブルから床まで水浸しにする。お店の方がありったけの布巾を持ってきてくださり、大変お世話になった。


念願の熊谷守一は、素晴らしいの一言。色の美しさと線は圧巻。
白兎や、花の絵、本人のポートレイトがとりわけ気に入った。


それに、そばに添えられている文の素晴らしいこと。

「欲なし、計画なし、夢なし、退屈なし」
「偉くなれ、偉くなれと先生は言ったって、皆が偉くなったらどうするんだろうかと幼心に思った。」みたいなことが書いてあって、頗る気に入った。



帰りには、あさって誕生日を迎える友人の子のプレゼントに絵本を選ぶ。
クルテクにしようか散々迷った挙句、ブライアン・ワイルド・スミスふくろうときつつき (ブライアン・ワイルドスミス作品選)」にした。三歳にはちょっと早いが、色が綺麗なので、これに決めた。ママに読んでくれるようにお願いしよう。