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うちの猫は、我が儘なところがない猫らしからぬ猫で、控えめで大人しく、なされるがままで、その上、美人ときている。何か訴えたいことがある時は、ニャーニャーわめくのではなく、少し細めた目にただ涙を浮かべて私の顔をじっと見つめる。これが人間なら実に"いいオンナ"だろうと思う。

そんないいオンナにも、唯一の短所がある。それは、"吐く"ことだ(汚くてすみません)。

すごい量を食べるから、すごく太っている。それだけならいいが、すごい量を食べては、吐いてしまうのだ。それも頻繁で、3日に一遍は吐く。吐く時は、ゲホゲホ言い出すので、猫を外に出してしまうか、新聞紙を下にひく。それが間に合った時はいいが、そうでない時は悲惨である。気に入りの絨毯が被害に遭うこともある。
ご飯が欲しい時は、例の方法によって、私をじっと見つめるので、ついついご飯を上げてしまう。何度上げても食べ終わると、またじっと見つめているので、また騙されて上げてしまったりする。そうすると、間違いなく吐く。

一回上げた後、涙目攻撃をされても、私は心を鬼にして、あげないようにする日もある。すると、別の家族に狙いを定めて、同じ手を使って、うるうる見つめているのである。私がご飯を上げたことなど知らない家族は、嬉々として上げてしまうので、ここでまた吐くのである。

一般的に猫が吐くのは、毛玉(毛繕いをした時に飲み込んだ毛)を出す為というが、こう頻繁じゃ困る。猫がいる他の家庭も、毎日こんな危険にさらされているとは思えないし。毛玉対策用のキャットフードを与えているが、効果はまるでない。

人間の過食症は、何か心が満たされない場合、食で満たそうとするように思うが、猫もこれと同じなのだろうか。
何かよい方法はないものかと何年も考えている。