私の家では、集合時間に遅刻した者が昼食代を支払うことになっている。どうして、そんな規則が定められたかと言えば、必ずと言っていいほど遅刻してくる奴がいるからだ。今日は、2分遅刻した。2分でも遅刻は遅刻だから、今日も私が昼食代を持つことになった。
有楽町駅から少し歩いたところの「麹蔵」という店で、ラフティー定食を頼む。なんとまぁ、レディなのに恥ずかしげもなく、ご飯は大盛りを頼む。何せ遅刻だけはするまいと、朝ご飯を返上したにも拘わらず遅刻したのだから、ハラペコなのだ。それに、外食は味が濃いので、必ずご飯が足りなくなる。ラフティーというのは豚の角煮のことらしい。角煮、豆腐、筑前煮、切干大根、味噌汁、ご飯、漬物で、800円とは、一体どういうことなのだろうか。安くても美味しかったし、和な雰囲気も良し。東京は、本当にご飯が安いと思う。


腹ごしらえしたところで、帝劇の隣にある出光美術館へ。TV「新・日曜美術館」で、今をときめく、イケメン僧侶 玄侑宗久さんの解説で、仙?さんの放送を見て、感銘を受けたのだ。ユーモラスで微笑ましい絵の勢いのある線と、添えられている詩がなんともユニーク。



代表作 「指月布袋画賛」 を月様幾ツ 十三七ツ
指(修行)に囚われていては、月(悟り)は見出せないという意味だそうだが、そんなことはどうでもよくなる、この二人の表情。




「蛙画賛」 座禅して人が仏になるならハ
      古池や 芭蕉飛び込む 水の音



「老人六歌仙画賛」
しわがよる ほくろが出来る 
腰まがる 頭が剥げる ひげ白くなる
手ハ震ふ 足ハよろつく
歯ハ抜ける 耳ハ聞こえず
目ハ疎くなる
身に添ふは 頭巾襟まき
双眼鏡 たんぽ
をんぢゃく しゅびん 孫の手
聞きたがる 死にともがなる
淋しがる 心が曲がる 欲深くなる
くどくなる 気短になる 愚痴になる
出しゃばりたがる 世話やきたがる
又しても 同じ話に 子を誉める 
達者自慢に 人はいやがる




「一円相画賛」 ○が書いてあり、"これくふて茶のめ"と添えられている。意味は、禅の教えのひとつの"円"は輪廻という教えだが、そんなことを難しく考えないで、饅頭でも食べて茶でも飲めということらしい。


こんな人が遥か昔の人だなんて信じられない。ピカソが生まれる前から、日本にはピカソがいたんだから。
袈裟姿のお坊さんも見られた。おばあさんは、けらけら笑っていた。おじいさんは、メモをとっていた。私もげらげら笑って楽しかった。



帰りにその近くにある、かの有名な patisserie Sadaharu Aoki に寄り、ケーキを見ると、小さなケーキ1つが今日のランチよりも高い!これなら、プリンが8つは作れる・・・。まさか、サダハル・アオキのケーキが私のプリンより美味しいわけがないし・・・・・・・・(笑)。今日は諦めて帰る。
お夕飯は面倒だから、美濃吉で、「鯛かま大根」と「松茸湯葉豆腐」を買って帰る。歩きながら、そういえば、仙崖さんは美濃生まれだったことを思い出した。





■ 「仙崖 SENGAI  ―禅画にあそぶ― 」展 *1
  ★★★★★

会期: 2007年9月1日(土)〜10月28日(日)

時間: 10時〜17時

会場: 出光美術館

入場料: 1000円


*1:正しくは、崖の字の山がない字なのだが、はてなでは?になってしまう・・・