エスカレーターに子供の頭が挟まった事故が起き、その事件について、TV『クローズアップ現代』で解決策を検証していた。
「右側を歩く人がいる現状を放置していることに問題がある」というところまでは、私と全く意見が一緒であった。その解決策は、「安全板の隙間を埋める」または、「エスカレーターの幅を広くするか、一人用に狭める」というものだった。ここが私と意見が違うところだ。
私なら、「エスカレーターの速度を現在の5倍速にする」。エスカレーターの上で歩く人がいるというのは、いかにエスカレーターが現代の速度にマッチしていないということだと思うからだ。そんなことをしたら、余計に事故が多発すると思っている人がいると思うが、心配御無用である。
ハンガリーの首都ブダペストに行ったことがある人なら誰もが驚くのが、エスカレーターの速さ。まさに5倍速なのである。これは、本当に大変危険な装置で、足が引き込まれるところも、日本のよりざっくりしていてごつごつした鉄が剥き出しであるので、大人の私でも乗るのを躊躇する程であったから、乗る時には、緊張して充分に気をつける。子連れの親は、更に気を付け、抱きかかえたり、降りる時に上に持ち上げてあげたり、あるいは、乗らないようにしたりするだろう。子供だって、真剣そのもので、後ろ向きに乗っている子や、余所見をしている子なぞ、一人もいない。この危険なエスカレーターの上で歩こうとする者もいない。それが返って事故に繋がらないということは、あまり気付かれていない。あんなに危険なものに乗るときは、誰でも真剣になるのだ。そのお陰か、お年寄りだって、よぼよぼしている年寄りはとても少ない気がした。
日本では、散々甘やかしたあげく事故に繋がっていることが各方面で見られる。日本のエスカレーターは、必要以上に安全に作られすぎたから、事故が多発するのだと思う。「エスカレーター=命がけで乗るもの」だということを体で覚えるのが何よりの解決策だと思ったのである。*1

*1:※勿論、事故に遭った子を非難しているのではない。