■

生まれて初めて車というものを買った。車の運転は大嫌いだし、教習所で受けた適性検査では最下点で不合格となっただけのことはあって、大の苦手なので、まさか自分が車を買うなんて夢にも思わなかったが、今の仕事では車が必要なので買ってみた。
友人や家族からは「TAEの車には絶対に乗りたくない」と口を揃えて言われているので、どうしてかと尋ねると、「運動神経は悪いとは思わないが、TAEは注意散漫だからね」とか、「あんたは上の空だから」と言う答えが返ってきた。なるほどと思った。

何しろ予算が少ない上、「軽で、色は、シルバー・白・黒以外の色で、明るい色にしてください」と注文が多いので、見付けるのが大変だった。友人や親戚に付き合ってもらい、１日で15件以上中古車屋を回った。
本当は仕事の為というよりも、こんだけ見て、買わなかったら骨折り損だという気持ちになってきて、今回諦めて、何年後かに買おうとした時にまた15件も回りたくはないと思ったから買うことにしたのだ。どうせならフェラーリとかワーゲンとかシトロエンとかに乗りたかったが、予算に見合う日本製の黄色い車を買った。

3日目で、早速ぶつけた。既に左前の塗装が剥げている。
フェラーリにしなくて正解だった。