ELEVEN GRAFFITI


一番最初に買った『オリジナル・ラヴ/イレブン・グラフィティ』をまた聴いている。このアルバムは言葉で言い表せない程素晴らしい。
「アイリス」が一番好きだが、ここ数日「踏みかためられた大地」を、もう何百遍も繰り返し聴いている。





この人は、失恋しそうにないのに、どうして、こんな歌詞が書けるのだろう。
あぁ、苦しい。こんなにも美しくて苦しい曲はやめてくれ!と思いつつ、懲りずに何度でも聴いてしまう。胸が焦げるような、身を切られるようなこの感じは、死ぬほど苦しいけれど、悪くない苦しさだ。この胸が締め付けられるほど美しくて苦しくて切ないというのは、何かに似てる。
そうだ。芸術にも、美術、文学、映画など色々あるけれど、中でも"音楽"は恋愛に良く似ているとつくづく思う。他の芸術では、ここまで苦しくならないのではないかな。私だけ?
いや、私だけではないはず。かのスタンダールもそう書いていたもの。「その音楽が完璧なものである場合、恋愛の時に感じることと同じ感情を、音楽を聴いてる時にも感じられる。」って。その音楽が最高のものである場合に限っては"音楽は恋愛と同じ波長のもの"なのだ。勿論、ラヴソングだから恋愛に似ているということではなくて、音楽そのものが恋愛と同じ性質のものという意味だ。恋愛の苦しい感情だけでなく、歓喜、肉体的喜びまでも、音楽の中に感じとることが出来る。
だから、私達は、音楽に飽きることを知らないのだと思う。同時に、ORIGINAL LOVEの音楽が最高のものであるということに他ならない。